「あのね、監獄学園の首席はそんなに好き勝手していい立場じゃないの」


Verbrechen(フェアブレッヒェン)のことは好きにできるだろ?たとえば俺の罪をでっちあげてちょうばつ房に入れるとか」


「そんなことっ」


「じゃなきゃ俺が適当に問題起こしてちょうばつ房に入りに行く。そしたら、もっと2人きりでいれる時間が増えるだろ?」




 やわらかい頬をなでて考えていたことをはなすと、景依は顔を赤くしてしおらしく俺を見る。




「そんなことしたら、雷牙の仮釈放が遠のくでしょ…」




 それは、“はやく俺と外で自由に会いたい”って意味か。

 自然と口角が上がる。




「じゃ、仮釈がなくならない程度に、うまくやろうぜ」