独居房を尋ねてきた景依を見て笑い、体の陰になる場所で手紙をかくす。

 扉を開けてなかに入ってきた最愛の彼女を、立ち上がって歓迎しに行くと、景依は大人しく俺の腕のなかに収まった。

 2人きりのときだけに見せる、こういうしおらしい態度がたまらなくかわいい。


 近づきたいという欲求に従ってキスをしたら、頬を赤くして、ちょっととろけた目で俺を見てくるのもかわいすぎる。




「もう、年度替わるんだな」


「うん…次こっちに来るときは、私、生徒会長になってるから、ますます油断できなくなるよ」




 俺の腕のなかで眉根を寄せて、表情を引き締める景依はまじめすぎると思う。

 もししくったって、俺がカバーするのに。

 ま、がんばろうとするとこもかわいいから、好きにやらせておくんだけど。




「逆だろ?この学園の王さまが景依になるんだから、いままでより自由にできるじゃねぇか」