「景依ちゃん」


「藤枝先輩」


「あ、2人とも。待っててくれたの?」




 廊下には兎杏(とあ)真波(まなみ)が立っていて、まばたきをしてから2人に近寄る。




「それはもう、心配だったから…会長とはなして大丈夫だった?」


「最近の藤枝先輩はふるまいが安定してますから、大丈夫だと思いますが」


「うん、へいきだったよ。心配してくれてありがとう」




 にっこり笑うと、兎杏はほっとしたように肩を落とす。

 真波もうなずいて、3人で階段へ向かって歩いた。




「あれ以来浮気するそぶりはありませんが、どうですか?」


「3人いるから、けっこう時間を作れてるよね。それでもふつうより、ちゃんとはなせる時間は少ないと思うけど…」