監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。

「は~ぁ、かんたんに理性吹っ飛ぶな…好きな女ってこえー」


「どういうこと!」




 こわいってなによ、とにらめば疲れたように笑われる。

 なんで雷牙がそんな顔するわけ。




「はやくボタン閉めてくれねぇ?」


「雷牙が勝手に外したんでしょっ!そっちこそちゃんとしてよっ」


「はいはい」




 雷牙は肩をすくめてボタンをとめた。

 私もシャツのボタンをとめ直して、制服の乱れを直す。

 気を取り直したあとに言いたいことはひとつ。




「雷牙、他の女子を口説くのはやめて。真波は力を貸してくれることになったから」


「ふぅん?それはずいぶんといいほうに転がったな」


「“ふぅん”じゃなくて!」




 私は雷牙に詰め寄って、一度目をそらしてから、覚悟を決めた。