「恋人のしるし。景依(けい)も俺につけるか?」




 顔を離した雷牙(らいが)は、笑って囚人服のボタンを外していった。

 はだけた胸元に視線が吸われて、ドキドキッと心臓が跳ねる。




「いいっ!いいですっ!ちゃんと服着てばかっ!」


「…いーや、景依が納得するまで直さない」




 雷牙はにやりとからかうように笑って、私のよこにひじをついた。

 この男は…っ!




「他の女にはこんなことさせないぜ。ほら、やってみろよ」


「そっ、そんなはれんちなことできないっ!」




 首筋をあらわにする雷牙から、目をつむって顔をそむける。

 心臓がドキドキしてうるさい…っ。

 すると、「ぷっ」と吹き出すような笑い声が聞こえた。