「他の女子口説いたのは。だれを、どんなふうに口説いたの?」


「だれとか覚えてねぇよ。近くにいたやつを、“かわいいな”とか適当に」


「…だれにでも言うんだ」


「心から言ってんのは景依しかいない」


「そんなのなんとでも言えるでしょ。うそつきの言葉は信用できない」





 手を離して、ふんっ、と顔をそむけると笑い声が聞こえる。




「じゃあ、行動で示そうか?」




 示せるものなら示してみれば、と思っていると、ぷつっとえりのボタンを外されて、あわてて胸元に視線を落とした。

 ひとつ、ふたつ、みっつとボタンを外した雷牙は、シャツのえりを開いて首筋に顔を寄せてくる。




「ちょ、ちょっとなにしてるのっ、ばか…っ!」




 かぁっと赤面して肩を押し返そうとすれば、手首を掴んで阻止された。

 首のよこにやわらかいものがふれて、ちくっと、強く吸われたようないたみが走る。




「やっ、なに…!?」