「108番!ぜんぶ吐きなさい。こりずに脱獄をくわだてたんですか、女子を利用する気だったんですか!」


「はいそうです、って言えば満足か、看守サマ?…景依(けい)なら俺を信じてくれると思ったんだけどな」




 雷牙の手が私の頬に伸びてきて、びくっと固まると、辺春先生がその手を払い落とす。




「よくわかりました。やはり108番はちょうばつ房に入るべきですね」


「んだよ、ちょっと女遊びしただけだろ。脱獄なんてしねぇって」


「ごたくはけっこうです」




 辺春先生は立ち上がって、封筒を制服のうちポケットに入れた。

 真波も雷牙をにらみながら立ち上がる。


 雷牙は、そうしてまた、ちょうばつ房へと連行されることになった。