「…そんなに監獄学園に残りたいんですか?なんのために?」


「…将来、刑務官としてはたらきたいし、いま、雷牙(らいが)の近くにいたいから。自分勝手な理由でごめん、だけど…」


「わかりました。見逃してあげますから、108番は自分にください。一晩考えたら、自分も108番とキスしてみたいなと思いまして」


「えっ?」




 おどろきと、敵対心が混じった目で鳩野さんを見てしまう。

 雷牙とキスしたいって、本気で言ってるの…!?


 ぎゅっと手を握ると、鳩野さんは無表情で私を見つめて、「…わかりました」とふたたびこぼした。




「藤枝先輩が108番に恋をしているのか知りたくて、うそをつきました。すみません。自分はお兄ちゃん以外の男にはまったく興味ないのでご安心を」


「う、うそ?」


「はい。正直口にするだけで吐き気がしました」


「そ、そっか…」