「そんな景依ちゃんがっ、初めて好きになった男のひとなんです!108番ってきっと、景依ちゃんにとってすごくすごく特別なひとだから…」
「…藤枝先輩は、ただたらしこまれたわけじゃないんですか?」
小柳先輩は目をつむって首をぶんぶんよこにふった。
「景依ちゃんは男のひとなんかに気を許したりしませんっ。財前先輩だって、潔白ないいひとだから唯一尊敬するようになって…!」
「…わかりました。明日、藤枝先輩に確認して、本気で恋をしているようならだまっています」
「本当!?ありがとう…!」
「ただ、自分が確認をとることはご内密に。自分は藤枝先輩の本心が知りたいので」
「うん、わかりました。景依ちゃんには言いません」
小柳先輩はしっかりうなずく。
それを見て、藤枝先輩ってやっぱり尊敬にあたいするひとなのかも、と気持ちがもどってきた。
…とにかく、答えを出すのは明日だ。