副会長になったらたのもしそう、と思っていると、鳩野さんは私をじっと見る。




「どうかした?」


「あの、藤枝先輩って108番と距離が近くありませんか」


「えっ!?」




 急に!?

 心臓が口から飛び出しそうないきおいでびっくりして、とっさに半身下がった。

 ばくばくばくと鼓動がはやくなっている。




「先週1週間、ずっと藤枝先輩を見ていたんですが…かっこいいひとなのに、108番に対しては気がゆるんでいるように見えまして」


「そ、そうかな…」




 うっ、するどい…。

 っていうか、そんなに態度に出てるかな、私…!?

 これでもきびしく接してるつもりだったんだけど…。




「そうです。他の受刑者、ついでにGebot(ゲボート)の男子にはきらいオーラが出てるのに、108番にはそれが出ていません」