ふり返ってみれば大変な1年だった。

 あっという間に3学期へと入った気がするのは、雷牙(らいが)が監獄学園に来てからの日々がにぎやかだったからかな。


 冬休みが明けて、今日は初めて1年特進クラスの生徒と看守にあたる日。

 2学期末、第二次試験に合格できなかった2年特進クラスの生徒は一般クラスに降格したから、人数は増減なし…むしろちょっと増えたくらい。




藤枝(ふじえだ)先輩」




 朝礼まえ、女子から声をかけられてふり向くと、長身の生徒がそこに立っていた。

 見覚えはないから、たぶん新顔…つまり1年生なんだけど。

 青色のじとっとした半目が私を見つめる。




「はじめまして。1年首席、鳩野(はとの)真波(まなみ)です。ずっと尊敬していました」


「え、あぁ…ありがとう…」