108番が監獄学園に来てから約2週間。

 彼は昨日から雑居房に移っている。


 先輩と2人1組で雑居房を1室1室見て回ると、108番が入っている雑居房を点検する番がきた。




「72番」


「はい!」


「78番」


「はーい」




 扉を開けて、名簿を片手に点呼を取りながら、顔色などから健康状態を確認する。

 もちろん、部屋のなかに不審なようすがないかも。




「90番」


「はい」


「108番」


「はいよ」




 雑居房は1室につき6人が入る。

 最後の1人の点呼を取ると、へらりとした笑顔を向けられて、思わず眉をひそめた。




「108番、点呼は正座で受けなさい」


「へぇへぇ」




 ゆっくりあぐらから正座へ体勢を変える108番を見届けて、「よし」と口にする。