「景依に惚れんのは俺だけでいい。だから俺以外に見せんな。他の男とキスすんの禁止」


「すっ、するわけないでしょっ、ばか!!」




 あんなことするのは雷牙だけ…って、ちがうちがう!

 雷牙ともしない!かんたんにはさせない!

 わぁ~っ、もう!!




「!ったく、かわいい顔すんなって言ってんだろ」




 ぎゅっと抱きしめられて、顔を胸に押しつけられた。

 ドキッと心臓がはねて、雷牙の胸を押し返す。




「だ、だれかに見られたらどうするの!やめて、離してっ」


「いまは授業中だろ。だれも来ねぇよ。…ってか、“だれかに見られたら”、ねぇ?理由はそれだけでいいのか?」




 にやりと、口角が上がった声。

 どういうことかわからないけど、私、なにかやらかしてる…!