『じゃあ…あの死体の海は、テツが?』
『あぁ…やっちまった…全員…』
『…ははっ、惚れ惚れすんな』
相棒がやらかしちまった“とんでもないこと”にぞっとする。
これだけ死んだら、うちでもかばいきれるかどうか…。
『サンキュ…俺、もううごけねぇんだ…』
『あれだけやったらな。でも、救急車は呼んだ。ぜったい助かるから死ぬな』
『…そーな…俺は、心配いらねぇから…ライは、逃げろ…』
『はぁ?だから――』
逃げねぇって言ってんだろ、と言うまえに、テツが死にそうな声をかぶせた。
『このままじゃ…おまえがパクられちまう』
『…』
おまえが気にしてんのはそれか、テツ。
俺はあらためて口を開いた。
『逃げねぇよ、相棒』



