『また来た…帰ったらぜったい警察に通報して全員刑務所に入れるから!』


『おーおー、威勢がいいな。ふぅん、おまえが監獄学園の生徒か』




 燃えるような赤い髪の男は、私のまえまで歩いてくると、あごをすくい取って顔を上げさせた。

 へらりと笑う顔がいやでも目に入る。




『かわいい顔してるじゃねぇの。それで看守とか務まんのか?』


『男がさわらないでっ!』


『ははっ、おまえ男ぎらいか?たしかなまえは…藤枝(ふじえだ)景依(けい)、だったな』


『そうだよ』




 きっ、とにらみながらも、口は勝手にうごく。

 私から手を離した男は、あたりを見て壁に立てかけられていたパイプイスをひっぱってくると、私のまえに座った。




『予定までのひまつぶしに、すこし付き合ってもらうぜ。まだ薬は残ってるんだったか?それじゃあ…好きな男のタイプはねぇの?』