気づいたら、コンクリートの地面が見えた。
なんだか頭の奥が重くて、腕も足も縛られているような、変な感じ。
私、イスに座ってるみたい…?
『なに、ここ…私、どうして寝てたんだっけ…?』
『…起きたな。監獄学園の生徒さんよぉ、まずは学年とクラス、名前を言ってもらおうか』
『はぁ?なにを言ってるの…1年特進クラス、藤枝景依だけど…あなただれ?』
男の声が聞こえて、眉をひそめながら顔を上げると、眉毛のない強面の男が私のまえに歩いてきた。
ここは、どこかの倉庫…?
他にも何人かいるけど、全員男で気分がわるくなる。
たしか私、ご近所さんの雪かきを手伝いに家を出て…。
とちゅうで、変質者におそわれたんだっけ?
うしろから、口と鼻を布でふさがれて…。