「なんで脱獄なんて許したんですか、なんで止めなかったんですか、中心人物はっ、だれだったんですか!」
「キングが…一緒に逃げなくてもいいから、ただだまっていろ、と」
「っ…108番は…どうして、逃げたりなんかしたんですか…!」
脱獄したって罪が増えるだけなのに。
私のこと好きって言ってたくせに…!
「それは…わかりません…すみません、先生…」
「…ばか…ぃがの、ばかっ…!」
「…?」
うつむいて、ぎゅううっと手を握る。
涙がこみあげてきて、きつく目を閉じた。
脱獄なんてしたら、一緒にいることもできないじゃん…。
もう、顔を見ることもできないじゃん…っ!
「知っていること…すべて吐きなさい。そのあと、ちょうばつ房に入れます」



