やっと声を出せたものの、ちいさいうえにふるえていて、はずかしくなる。




「はいはい、じゃあ景依(けい)が送ってくれよ。そっちのとちがって手ぶらだし。いいよな、センセー?」


「…うん。たのんだよ、藤枝」


「は、はいっ…!」




 答えると、こつこつと足音が遠ざかっていった。

 雷牙は私の肩に腕を回して、まえに歩き出し…しばらくすると、はなしかけてくる。




「俺の本気、多少は伝わったみたいだな?」


「っ…」


「あまりにもかわいい反応をするもんだから、またキスしたくなるぜ。なぁ、景依?」




 肩を抱き寄せながら口にさわられて、ぶわっと体温が上がった。

 期待するように胸がドキドキッと反応する。