「やはり、俺は…藤枝が嫁になることを望む。藤枝なら、俺を変えられるかもしれない」


「え…えっ…!」




 財前先輩に…キス、された…っ!?

 目をまんまるにしておどろいていると、視界のはしにうごくものを見つけて、自然と視線がそっちへ向いた。

 すると、そこには1年の教室から顔を出している兎杏(とあ)がいて。


 兎杏は私と目が合うと、顔をまっかにして、ぶんぶんと手をふった。

 まるで、なにも見てないとアピールするように。


 …とんでもないとこ見られちゃった!!