林郷(りんごう)(あつし)視点―


 3年、特進クラス。

 自薦で生徒会にも所属している。

 これでも僕、林郷(りんごう)(あつし)は3年の次席だ。




「えぇっ!?」




 生徒会室のまえに来ると、くぐもった声が聞こえた。

 この声は…藤枝(ふじえだ)


 すこし考えてから、生徒会室の扉に耳を当てる。




「あ、あのっ!説明を!説明をお願いできますかっ!?」




 ルームメイトであるという小柳(おやなぎ)や、財前(ざいぜん)のまえでは感情ゆたかな藤枝だけど…それにしたって、いまは相当取り乱してるみたいだ。

 しばらく聞き耳を立てていると、財前は監獄学園に入った理由をはなし始めた。


 …僕にとって、財前は目の上のたんこぶだ。

 あいつは常に成績ゆうしゅうで、監獄学園に入学してからあっという間にトップに君臨した。

 僕だって、ゆうしゅうな人間だ。