唇を隠して,それでも君に恋したい。




「俺知ってる! みたいに話すせいで敦が信じてるだろ」

「いや,まあ,ちょっとだけな。理由も聞いたことないし」



図星をつかれた敦は,きょろきょろと僕から目線を外した。



「だよな~教えろよーーー」



そう言うなり,三太は僕ににじりよる。



「三太,それ以上ふざけるなら怒るからね」



近寄るなのポーズで顔を歪めると,三太は大人しくなった。



「ちぇえ~。なんだよ服の一枚くらい。なーリュー?」

「……」

「リュー?」

「リューの言う通りだよ,三太。もう2年弱もこうなんだ。あんまり聞くべきじゃない」
  


ごめんな,と最初に話題をあげたスズが僕に謝る。

僕はいいんだと首を振った。