唇を隠して,それでも君に恋したい。


だけど今はもうそんな時代でもなければ,僕達のような存在をP·Bは誰も知らない。

知られても遠ざけたいと思われるのが関の山だ。

秘匿され,身体検査や経歴全てにおいて他人の目を欺き。

そんな中で,一体,なんのために。

一体,僕が何者であるかなんて……そんなの本当は僕が一番知りたいんだ。

こんな迷惑なだけでなんの意味も役にもたたない身体になんて,生まれたくなかった。

報われない恋をしたっていいじゃないか。

僕はただ,普通に生きて,普通に死ねる人間が良かった。

これじゃあ,本当に人間と呼んでいいのかも分からない。

お願いリュー。

不幸な事故だけど,なんでもないんだって笑って。

騒ぐクラスメートに,不機嫌な顔で悪態ついて。

僕を好きだとか,そんな馬鹿げたこと,いわないでよ。

僕は,僕は……何なんだ。