「敬語はいらない。それと、伊吹とよんでくれ。」

えっ。
なんか、嬉しい。

「分かった、伊吹。」

そこで嬉しそうに笑った伊吹の顔は、私の心に強く残った。


「えっと。ここで、寝る?」

「いいのか?」

「全然いいよ。」

「ありがとう。」


…やっぱ性格変わってるよ伊吹。


「あ、でも…。」

「?なんだ?」

「布団、大きいんだけど、1つしかないんだった…。」


まあ、いっか。

こんな私と一緒に寝ても気にしないよね。


「え。わ、わかった。」

少し動揺する伊吹。


「ごめんね…。」

「いや。全然大丈夫だ。」

そう言って寝転がる伊吹。

もう寝るのか

私も背中を向けて寝転がる


「おやすみなさい。」

「ああ。おやすみ。」

ドキッ

なにその美声!

ふぅ…。よし、寝よう




ー蓮花。これが、好きってやつか。


その呟きを、私は知らない