ある真冬の日。


買い物に出かけていた私は、家までの最短ルートである裏道を歩いていた。

帰るだけのはず、だった。


今、私の目の前には、壁に寄りかかる男。

いやーな予感しかない。うん。

でも、倒れてるっぽいし、ほっとけない。


はぁぁ。しょうがない。


近づいて覗きこむと、あらイケメン。

大きな外傷はなさそうだけどなぁ。

少し怪我してる。


「あの…。大丈夫ですか?」

「………。」


意識はあるっぽい。

すごい睨んでくるし。

怖いからやめてほしい、切実に。