背伸びして、君とありったけのキスがしたい。




自分で言って、なんだか恥ずかしくなった。


将来のことなんて、今はまだ分からない。



それでも、綾人さんと一緒にいる私は……きっと世界一幸せなんだろうなと思う。

そんな想像だけは簡単に思い浮かべることができた。





「……へぇ。里緒ちゃん、俺を幸せにしてくれんの?」


「は、はい!」


「それは……ちょっと楽しみだね」


「へ?」


「じゃあさ、まずは俺をメロメロにしてみてくんない?」


「い、いいんですか!?」


「でも俺、自分でいうのもアレだけど、けっこう手強いよ?」




ハンドルに両腕を乗せて、私を覗き込むように頭を傾けながらこちらへ向けてくる視線に熱を感じる。


綾人さんの瞳に、私だけが映っている。

なんだか彼を独り占めしているみたいで、それだけで嬉しくなった。