背伸びして、君とありったけのキスがしたい。






そんな綾人さんのウワサを教えてくれたあと、綺良ちゃんは『綾人だけは絶対ダメだからね!里緒にはもっといい人がいるんだから!綾人みたいなクズはダメ!反対!』と食い気味にそう言っていたことを思い出した。



でも、だけど───。




「私、もう本気の恋しかしないって……決めたんです」


「うん?」


「相手に好きになってもらったから好きになる、だとか、ちょっといいなって思ったから、だなんて理由の軽い恋はしないって誓ったんです」




心も身体も、全部を捧げられちゃうくらい大好きって思える人以外とは、中途半端な恋はしない。


私にとってのそんな相手が、綾人さんになったんだ。




「私、諦めないです」


「里緒ちゃんさ。俺はキミが思ってるような“いいオトナ”じゃないんだよ?」


「……私の目には、いつも余裕そうで、これまで出会ってきた大人の中で一番カッコよくて、困ったときには助けに来てくれる優しいヒーローにしか見えてないです」