今日もまた最悪な1日になるんだって思っていたけれど、綾人さんのおかげで、私は今すっごく幸せだ。
机の上には、苺ケーキにフルーツタルト、モンブランにガトーショコラ、それからスフレにチーズケーキに、果実たっぷりのフルーツティーが所狭しと並べられた。
「ねぇ、それもひとくちちょうだい」
「!?」
甘いものがあまり得意じゃないと言った綾人さんは、私が頼んだケーキをひとくちだけ摘んだ。
彼の行動や言葉の一つ一つに、私は激しく一喜一憂した。
それはもう、一生分のドキドキを味わったんじゃないかと思うくらいに。
そして、たくさんのお皿の全部が空っぽになったとき、思ってしまったんだ。
今度、恋をするとしたら──……綾人さんがいいって。
年齢も、立場も、住んでいる世界も、何もかも違うって分かっている。
彼に恋心を抱くのはよくないって、それも十分理解しているはずなのに。
それでももう、この気持ちは止められない。
私は、綾人さんのことが好き。



