「す、すごい……!テラス席!」
案内されたのは、まさかの2階のテラス席。
5月ならではの、暑くも寒くもないこの季節にピッタリの席だった。
「今日は俺がご馳走するから、里緒ちゃん好きなもの全部頼んでいいからね」
「い、いえ!そんなわけにはいかないです!」
「いいからいいから」
「で、でも……」
橋本くんの件で、わざわざ学校まで来てくれて、あんなふうに助けてもらって。
お礼をしなくちゃいけないのは私のほうなのに。
「里緒ちゃんにカッコいいところ見せたいから、俺に任せてよ。ね?」
「ほ、本当にいいんですか?私、いっぱい食べちゃいますよ?」
「ハハッ!そうこなくっちゃ。橋本くんのせいで傷つけられたんだから、今日はいっぱい俺に甘えなよ」
「……っ!」
スタッフの人から受け取ったメニューを私に預けながら、綾人さんはにっこりと微笑んだ。
その笑顔を見て、また私の胸はドキドキと音を奏でる。



