背伸びして、君とありったけのキスがしたい。







スイーツの特番を見てたまたま知ったこのお店。


いろんな種類のケーキやお菓子があって、紅茶やハーブティもこだわり抜かれているそうだ。


甘いものに目がない私と綺良ちゃんは、次の日さっそく予約しようとしたけれど、見事に空きがなくて諦めざるを得なかった。




「里緒ちゃんここ、行きたい?」


「い、行きたいです!もちろん!」


「いーよ。じゃあ入ろっか」


「え!?で、でも予約しないと……」


「ハハッ、こういうときにこそ使わないとね。大人の権力ってやつを」




綾人さんはそういうと、目を見開いて驚いている私の手を取って、躊躇うことなくお店の中に足を踏み入れた。


アンティーク調のかわいい外装のここは、店内も想像どおりにうんとオシャレだった。

中に入ると、綾人さんはスタッフさんと何やら仲良さげにヒソヒソと大人の話をしている。





「(今度は綺良ちゃんとも一緒に来たいな)」


「……って、そうだった!」




掃除当番が終わるまで教室で待っていると約束したのに、橋本くんとの一件で何も言わずにここまで来てしまったことを思い出した。

慌てて制服のポケットからスマホを取り出す。




「……あれ、綺良ちゃんからだ」


メッセージアプリを開くと、すでに綺良ちゃんから連絡が入っていた。