背伸びして、君とありったけのキスがしたい。




綾人さんはこちらの反応を楽しそうに見たあと、私にシートベルトを促した。


そして車のエンジンを掛けて、ゆっくりとアクセルを踏む。



車内の狭い空間に、綾人さんと二人きり。


鼻歌を歌いながら上機嫌に運転する彼とは正反対に、私は今にも倒れそうなくらいの緊張とドキドキでおかしくなってしまいそう。



だけど、全然嫌じゃなかった。

むしろ、もっとずっとこの時間が続けばいいのにとさえ思っている。

綾人さんにバレないように、チラチラと横目に彼の運転している姿を盗み見た。



そして、10分ほど走った先。


到着した場所は、先月オープンしたばかりのオシャレなスイーツのお店『パリメル』だった。





「ここって、パリメル……!?」


「お、里緒ちゃん知ってるの?」


「はい!完全予約制のスイーツのお店で、もう半年は予約が埋まっている超人気店ですから!」