背伸びして、君とありったけのキスがしたい。





***


「ごめんね、いきなり来ちゃって」


「いえ、綾人さんがいてくれて……よかったです」



あれから私は、綾人さんに連れられて学校の近くに停めてあった彼の車に乗り込んだ。


ほのかに香る香水の匂いと、高級な革の匂いが大人な雰囲気を余計に溢れさせている。



「(私、今、綾人さんの車の助手席に座ってるんだ)」


一週間ぶりの、綾人さんの姿。

連絡先すら交換していなくて、もう一生会えないんじゃないかと思っていた。


でも、今は私のとなりにいる。

状況は最悪だったけれど、それでもまた会えたことが何よりも嬉しかった。



「久しぶりだね、里緒ちゃん。元気してた?」


「は、はい!」


「もう年齢誤魔化して悪い遊びとかしてないよね?」


「し、してないです!昨日、綺良ちゃんと二人でカフェに行ったくらいです!」


「ハハッ、いい子にしてたわけだ。えらいね」


「……っ」