わたしはスマホを手に取り、前に麗仁くんがいない時に仁科さんから「何かあった時はこの番号におかけください」と渡された名刺を引き出しから取り出す。
電話アプリを開き、そこに印字された仁科さんの電話番号を入力していく。
プルルル、プルルルル───……
《はい、仁科です。夜分にどうされましたか、七瀬様》
2度目のコール音がなった後、端末から仁科さんの低い重低音がわたしの耳元で響いた。
「……っあ、えっ、えっと、七瀬です。申し訳ございません、こんな夜遅くに連絡してしまって……」
わたしは他に誰もいない空間でペコペコと頭を下げながら謝罪の言葉を述べる。
こうして仁科さんに連絡したのは今日が初めてだから、なんだか緊張してしまう。
《いえ、問題ありません。それより、私に何かご用で?》
「……っあ、そ、それがその……麗仁くん!の、ことなんですが」
《……!飛鳥馬様が、どうなさいましたか》
「もうすぐ麗仁くんのお誕生日、ですよね。っなのでわたし、お祝いをしたくて……サプライズしたいなあって思っているんですが、わたし一人では行き詰ってしまって」
《はい》
「仁科さんがもしよろしければ、お力添えいただきたくご連絡した所存です……っ」



