冷酷総長は、今日も変わらず彼女を溺愛する。【After Story】



明日は、8月10日。


麗仁くんの誕生日だ。


麗仁くんと正式にお付き合いをして初めて過ごす、大切な日。


わたしは一人悩みに悩んでいた。


「……どうしよう」


自分の部屋の机に肘をつき、わたしは深刻な声音でそう呟いた。


どうしたら麗仁くんを喜ばせられるか。それが情けないことに少しも分からない。


今まで麗仁くんに贈り物をしたことはほとんどないし、付き合ってまだ日も浅いから麗仁くんが何を好きか、ぜんぜん知らない。


そのことに落ち込み、迫る8月10日に焦燥感が募る毎日をわたしは送っていた。



「……だめだ、わたしだけじゃ無理」



わたしは不安とプレッシャーで押しつぶされそうになりながら、うめき声をあげる。


たかが人の誕生日にそこまで悩まなくていいじゃないか。


そうかもしれない。だけど違うのだ。


わたしがこれから誕生日を祝う相手は、この東ノ街の皇帝、飛鳥馬麗仁くんなんだ。


軽率なことはできないし、がっかりさせてしまったらどうしようと思うと不安でしょうがない。