教室の扉の前で抱きしめ合うわたしたちに、沢山の視線が集中しているのがいやというほど分かる。
だけど、そんなの気にならないってくらい、美結ちゃんの体温は安心できて、心地良い。
「……、美結ちゃん、ありがと」
「ふふん、こんくらいお安い御用よ」
回していた腕を離して、美結ちゃんは胸にどんと拳をぶつけて得意げな顔でそう言った。
沢山の友達がいるよりも、こうして困っている時に力になって寄り添ってくれる大切な親友が1人いた方が良い。
広く浅く、ではなく狭く深くの関係を、わたしは好んでいるのだと思う。
「美結ちゃん、なんて優しい子なの……」
口元に手を当て、目に涙を溜めて大げさなまでにそう言った。
美結ちゃんは恥ずかしそうに「もー、何言ってんのよ〜」とわたしの言葉を冗談として受け取っていたみたいだけど、冗談なんかじゃないんだよ。
本当に、ずっとそう思っているの。
美結ちゃんはわたしにとって天使で、可愛くて、優しくて、誰にでも平等に接することができる女の子。
それだけはこれから先も変わらない。



