美結ちゃんは興奮状態に陥るとしばらくの間こっちの世界に戻って来てくれないことがあるから困るけど、それも美結ちゃんのかわいいところだ。
「どうしよう彩夏〜〜、私、今日死ぬのかも」
「えぇ……っ、美結ちゃん生きてっ!」
「だって東宮内高校に通うご令息方にまた会えるんだよ……!? 正気じゃいられないよ」
そう言って両頬に手を添え、顔を赤らめる美結ちゃんはすごくかわいい。
けど、こんなにもかわいい美結ちゃんはこれまでに彼氏いたことないんだよなあ……。
この高校に入ってからも、何度も呼び出されては告白されているはずなのに、すべてお断りを入れている。
「美結ちゃん、彼氏を作る気はないの……??」
「ん〜、ないってわけじゃないけど……。自分にとって本当に良い人と付き合いたいなって願望が強くて、未だに彼氏ができないだけだよ」
少し落胆したように肩を落としてそう言う美結ちゃん。
その横でそっか〜と相槌を打つわたし。
こうして美結ちゃんと恋バナができるのはいつぶりだろう。
わたしはいつも他人にも友達にも言えない恋愛ばかりで、そのことを大好きな親友に言えないことが少しだけ苦しい。



