意気込むわたしを楽しそうに見つめながら両手を合わせた麗仁くん。
その姿が上品すぎて、一瞬見惚れていたけれどすぐに食べることに意識を集中させた。
わたしが朝食を頬張っている最中、早くに食べ終わった麗仁くんがずっとこちらを見つめてくるから、何度か喉に詰まりかけて大変だった。
「も、もう……なんであんなに見つめてきたの。恥ずかしくて食べにくかったよ、…」
「そーお? リスみたいに頬張るあやちゃん、すごくかわいかったけどなあ」
仁科さんがドアを開けてくれて、わたしたちは黒塗りのベンツの中に乗り込んだ。
今日は、陽光が肌に強く差さるほどの快晴。
まさに文化祭日和だ。
ベンツが発進して、東宮内高校へと向かい始める。
いつ見ても普通じゃない車内に、わたしは今日も息を呑んだ。
「あやちゃんのクラスはメイド&執事喫茶するんだよね? あやちゃんはもちろん裏方か調理係かな」
……実は、わたしがメイドをするということを麗仁くんにまだ言っていない。



