しばらく虚無の瞳に見つめられた後、麗仁くんは興味を失ったようにわたしから視線を逸らした。


「もういい。行ってきなよ、その合コンってやつ」


突き放された感じがするのは、なぜだろう。


わたしを見つめる麗仁くんの目が冷たくなった。


「…っ分かっ、た」


麗仁くんのことを全てお見通しなわけじゃないから、わたしは麗仁くんの考えていることが分からない。


だけど、意味のわからない悲しさが胸の中に広がっていくのは確かで。

初めての状況に、ただただ動揺するしかなかった。


𓆸 𓆸


「あははっ、三好(みよし)くん歌下手すぎぃ〜〜!」

「そういう茉理(まつり)ちゃんだってオレとほぼ同レベじゃ〜ん」


三好くんと呼ばれた男の子は、そう言いながら茉理ちゃんの腰に手を回している。

……す、すごい。


相当な手練れだ……。


人生初の人数合わせのために来た合コンに早くも緊張でどうにかなってしまいそう。


「彩夏ちゃん、だっけ?」