「すごい……」
惚けたように呟くわたしの側に控えていたお手伝いさんが、「とってもお綺麗です。七瀬様」と柔らかく微笑んで頷いた。
おしゃれに縁のない自分が、こんなに見違えるほど美しく見えるなんて、信じられない。
わたしは心が弾んできているのを感じた。
「では、飛鳥馬様に披露いたしましょう」
お手伝いさんに促され、わたしは麗仁くんがいる部屋へ向かった。部屋の前に着くと、お手伝いさんがコンコンと扉をノックする。
すると、扉が開いた。側にいたのは黒スーツを着た強面のSPだと思われる2人の男の人。
わたしは少し緊張して、ゴクリと唾を飲み込んだ。
この皇神居は、何度訪れても一向に慣れる気がしない。
ふと視線を窓際へ向けた。
その時。
「───っ!」
そこには、紺色の袴を羽織った麗仁くんが、ただ静かに佇んでいた。
カーテン越しに差す柔らかな光に照らされ、陶器のような真っ白な肌が濃紺に包まれ、荘厳ながらもどこか儚げな雰囲気を醸し出している。
いつもとは違う麗仁くんの姿に、心臓がドクンッと強く高鳴るのが分かった。



