肩に添えられた麗仁くんの手に力が入り、だんだんと食い込んでいく。
「麗仁くん、痛いよ」
そう言って手を離してもらおうとするが、麗仁くんはお構いなしにさらに強くつかんできた。
「あやちゃん、他の男と会ったんでしょ。おれに内緒で。ねえどうして? あやちゃんはおれに嘘なんかついたことないのに。誰かと会う時はちゃんと事前に知らせてくれたし、あやちゃんに他の男の影なんかなかったはずだよね?」
真っ黒な目をし、早口にそうまくし立てる麗仁くんからは、恐れ、不安、怒り、妬み、そういう負の感情が伝わってくる。
これは秘密にしておくことは良くなさそうだと悟り、わたしは慌てて弁解を試みる。
「ちっ……違うの。聞いて、麗仁くん。もうすぐ、麗仁くんの誕生日でしょ? ……っ、だからわたし、サプライズ、しようと思って、それで、仁科さんに協力してもらえることになったから、その相談を……」
「もういいよ」
突き放すような冷徹さを含んだ声音で制され、わたしは思わずビクリと肩を震わせた。
まさか、そんなふうに言われると思わなかったからだ。
普段の優しい麗仁くんばかりを見てきたせいだろうか。
冷たい目をする麗仁くんを目に映すのは久しぶりで、ズキリと胸が痛んだ。



