𓆸 𓆸


最近、あやちゃんがすっごく可愛く見えることに困っている。

前までは定着していた敬語も、最近は角がとれてため語になっていた。


それがお互いの距離感をぐっと縮めているような気がして、心臓の鼓動が鳴り止まない。

……はぁ〜〜、こんなことカッコ悪すぎてぜったいにあやちゃんには言えない。


「ねぇ真人。このシゴト、いつ終わんの」

「……、何度も聞かないでください。彩夏様に一刻も早くお会いしたいお気持ちは分かりますが、これは街の未来に関わる事業です」

「……チッ」

「……飛鳥馬様の本性がこんなにも凶暴だと知ったら、彩夏様がどうお思いになるか…」


そうやって頭を抱える真人を流し目に見て、おれはスンとすました顔をする。


「ちょっと何言ってるか分かんなーい」


一言落として、おれは真人を置いて暗い夜道を歩き始めた。

どデカい建物が建ち並ぶ皇神居の近隣周辺。


最近、この辺りに集中する闇カジノの治安が怪しくなっているという情報が入り込み、その視察に行かなければならなくなった。


急にそんな情報が入り込んできたから、当然今日のあやちゃんとの予定は全て白紙状態。