悠久の絃 2

さすがにおかしい。


そう気づいたのはいとが4杯目のおかわりをしようとした時。

「いと、今日はもう食べるのやめよう。よく食べたね。偉いよ」


僕と兄ちゃんは先に食べ終えていとの様子を見ていた。

顔色は……悪くはない。

ただ戻しそうだな。


そう思った矢先、いとはトイレに駆け込んで行った。


今日は嫌な予感がよく当たる。



「兄ちゃん、いとが大丈夫そうなら風呂入れさせてきて。ダメそうだったら連れてきて」


「了解。俺も嫌な予感してた」


小児科でよくある光景が家でも起こる。これも一つのあるある。

幼い子は自分の胃の大きさがよくわかっていないことがあり、よく食べるなーと思って見ているとなにかの拍子に吐き戻す。

本人もポカンとしてから泣き出す。なんてことがある。


いとも同じなんだろう。
胃の限界を知らないってことはないだろうから、無意識的に茶碗にないからよそって食べるということが繰り返された。

どこかぼーっとしているのは帰ってきたときから感じてた。
口数が少ないのも、僕と話すことを避けているのも、気づいてる。

これは何か話聞かないとだな……