二人きりの教室。少し遠くの教室から聞こえる金管楽器の音に、グラウンドからはサッカー部のホイッスルの音。
それなのに、この教室だけはやけに静まり返って、声が詰まる。




「……この前の、ことなんだけど、」




「うん」





「………っ、ごめんなさいっ!私も、進くんのことが好き、なんだけど、たぶん、進くんとは違うの」




「……うん。そっか。」




「でも、進くんとは、ずっと仲良くしてたいの、!」




「うん。」



「いい、かな?」



「うん。」




「返事くれてありがとう。俺は、これからも絃ちゃんのことを好きでいたい。いつかは、振り向いて欲しい。
でもその前に「かなわないな」って思ったら、その時諦める。
だからそれまで、好きでいてもいいかな?」




「うん、!…ありがとう」