悠久の絃 2

ピー

吸入の終わりを示すアラームがなると、椎名はせっせと片付けて僕と向き合う。



「今の悠を一人にして置いていけない。設備が整ったところに行こう?な?」



どこまでも僕のことを分かっている椎名は、やっぱり今も分かってくれていた。


嫌だと口には出さないけど全面に態度に出すと、車に乗せられ、人気のない裏口から呼吸器内科の処置室まで誰にも会わずに連れていってくれた。




「とりあえず酸素吸って寝てて。俺この後出なきゃいけないから瀬堂先生に診てもらうことになる。」



かなり前からぼーっとしている頭に椎名の声が響いてくる。


「悠?だめか。いいよ、寝てな」




久しぶりに怖くない環境で寝られる。発作が起きても、大丈夫だ。