悠久の絃 2

さすがにやばい。でも、今入院なんかになったらそれは困る。研修医の指導とまだ手をつけられていない仕事の山は誰がやる?退院させたいとを一人で留守番なんて絶対にできない。

でも、俺の体はもう持たない。


今は、頼るべきなんだろう。

友達として出てくれ、とスマホで名前を見つけて通話ボタンを押す。


『もしもし、悠?どうした?』


「発作出ちゃって、椎名、今から行ったら診てくれる?」


『はぁ?!お前いまどこ居んの?!まさか家帰ってないよな?』


え、?家、ダメなんだっけ、、


「家、いるけど、」


『はぁ……俺、今遅めの昼休憩だからそっち行くよ。楽な姿勢で息してて』




それから20分くらいして玄関のドアが開いた。

「悠!!大丈夫か?あーあー、一回音聞くから深呼吸して」


ああ、椎名だ。この手際の良さは昔から変わらない。安心すると、気が抜けたせいか一気に咳が出てきた。


「げほっ、こほっこほっ、ひゅっ、ひぅ、ぜほっ」


「口開けて、って、リリーバー使い切ってんの?!よく生きてたな。
ネブライザー吸って。」