悠久の絃 2

慈良「絃ちゃん、まずはシール外そうか。エコーはまだね。」


そういうと夏くんはタオルをかけてくれて、夜星先生が電極を外した。




律「俺だと恥ずかしい?」


「は、恥ずかしいっていうか、なんか、、、」


律「まあ多少胸に当たっちゃうからな。女性の先生呼ぶ?」



いや、ほかの先生を呼ぶって、それこそ迷惑だよね。

だったら、今我慢した方が、多分迷惑にならない。


「や、やるけど、、ちょっと、恥ずかしい、、」


律「そうだよなぁ。うーん、どうしようか」



やばい、先生たち困ってる……


「っ、やるっ!大丈夫です。たぶん。」



律「…わかった。しんどくなったら教えて。」




チューブから透明のジェルが出てきて、それを付けた機械がさらけ出された胸の上に。


冷たい。恥ずかしい。

この二つの感情が混ざりあって、逃げたくなる。




律「ん?ごめんな、動かないで」


そうは言っても恥ずかしいものは恥ずかしくて…



「んん、ねぇ、律先生まだ?、、ぅ、やだぁ、、」



夜星「絃ちゃん、もう少しだからちょっとじっとしよう。そろそろだよ」



律「……あ、ごめん、ちょっと待ってね。樹、ここ見て」

夜星「あー、、なるほど。でもここに当てれば大丈夫そうですね。」


二人が何について話してるのか、内容は全然わからないし、恥ずかしいし、ちょっと体が冷えてきた。

夏くんが手を握ってくれて、目を合わせて大丈夫だよ、と微笑んでくれる。



律「んー、まあオッケーだね。絃ちゃんありがとう。もう終わりだよ。」


ジェルを拭かれ、服も着させてもらってようやく落ち着いた。

ホルター検査と今の心エコーの結果を見てまた説明しに来るって夜星先生が言って三人とも出て行った。




律先生、久しぶりだったな。

今回も一ヶ月くらいいるのかな?でも、長期で休みを取るのは病院が少しだけ閑散する11月って前に言ってたし。今回は短いのかな。


そういえば、悠。朝来てくれたってことは今は帰っちゃったかな。


ちょっとだけでも、ちゃんとお話したかったな。