悠久の絃 2

病院の中庭に連れて行ってもらったけど、暑すぎてすぐ中に戻ってきた。

瀬堂先生も暑いね〜って微笑んでくれる。


その笑顔、どこかで見たことある。


どこ?どこで見たの?でも、覚えてる。どこ、どこ。思い出せ。



「え〜そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど、」


「え?!あ、ごめんなさい!」


「全然いいよ。疲れちゃったかな?お部屋戻る?」


「っ、もう少し、だけ。ここにいたいです」


「わかった。もうちょっといようか。」



でもさすがに立ちっぱなしは辛いだろうから、と隣にある院内カフェでアイスティーをご馳走になって席に着いた。


私の目の前に座る瀬堂先生はアイスコーヒー。

ミルクを入れてクルクルとかき混ぜている。


いつも優しくて、ふわふわしたオーラを纏って、こちらに気づくとニコッと微笑む。


やっぱり誰かに似てる。



「瀬堂先生って、誰かに似てるんですよね。わからないけど」


「僕が?誰だろ。顔?」


「顔、かな。でも、そもそもの雰囲気も似てるっていうか、、なんか、懐かしい感じ」


「……誰だろうね〜」


「いや、でも、多分私もわからないから。いいんです。」


「そっかそっか。まあゆっくり見つけてみてよ。僕も探してみる」


「はい。」