私が頷くと悠も頷いて、少しだけ静かな時間が流れる。


「悠は、知ってるもんね。お兄ちゃんたちのこと。」


「っ、、ごめんね。あんまり言わない方がよかったね」



それはわからないけど。お兄ちゃんたちのことは私は何もわからない。名前も顔も仕事も、なにもわからない。わかるのは優しいお兄ちゃんたちが今もそばにいてくれてるってことだけ。


「大丈夫。どうせわかんないし」



「…ごめんね、さっきは」


―pipipi

「はい、小児科赤城です。
わかりました、すぐ行きます」



ちゃんとご飯食べて、体休めて、元気になろうね。おやすみ。

って、悠は病室を出て行った。