〜絃side〜



夜ご飯、今日は少しだけ食べられた。

それなのに、薬を飲もうとしたら上手く飲み込めなくて胃の中のものが逆流してきた。


吐いちゃった、て理解したのはワンテンポ遅れて、気づけば夜星先生と瀬堂先生が二人でバタバタしてた。



そこからずっとマイナスの気持ちが渦巻いて、ベッドに潜っても消えないそれはぐるぐると頭の中を駆け巡る。



悠に、会いたい。

だけど怖い。


けどやっぱり、悠じゃないと嫌だ。優しい悠がいい。





―コンコンコン


夜星「絃ちゃん、落ち着いた?」


整えられた夜星先生の短髪の後ろ。まるで存在を主張するかのようなふわりとした天然パーマが覗いている。



悠「いと、久しぶり。なかなか会う時間取れなくてごめんね」



やっぱり、悠だ。この声は怒ってない。


「悠、こっち、来て。悠とお話したい」



悠「うん。でも、僕とお話するのは夜星先生のお話を聞いたあとでね」



お話?なんのお話?


夜星「そんなにはてなマーク浮かべないでよ。大事なお話だからちゃんと聞いてね」



悠も「ほら、聞くよ」と私の体を夜星先生の方へ向かせた。