悠久の絃 2

〜悠side〜


立て続けに入っていた検査を終え、つかの間の休息のために医局に行くと夜星先生に加えて瀬堂先生と椎名。

もう何も言われなくても分かる。いとの事だ。




「ついに服薬もですか……」


夜星先生がなんとか説得して毎日飲ませていたけど、今日はやっと飲み込んだと思えば少しだけ食べた食事ごと戻してしまったらしい。

瀬堂先生もその場にいたけど、おそらく「飲ませたい」と「飲まなきゃいけない、でも飲みたくない」の圧が掛かりあってた、と。



「すみません。僕も見てきます」


次のカンファレンスまで少し時間がある。

この時間に様子を見に行こうと3人に頭を下げて医局を出ると、僕を出待ちしていたように指導していた研修医が「お時間よろしいでしょうか」と飛び出てきた。

「あ、あぁ、いいよ。中で聞くよ」


と、今出たばかりの医局にUターン。椎名がギョッとしたから夜星先生も瀬堂先生もこちらに目をやった。

ごめんなさい、お願いしますとアイコンタクトを送って研修医と休憩室に入った。