悠久の絃 2

コンコンコン

「ご飯進んでる?」


あーあ。こういう嫌な予感ってなんで当たるんだろう。

今じゃないよ。


「夜星先生……なんで、来たんですか」


「絶対食べないだろうな〜って思ったから。ほら、合ってたでしょ?

スープだけでも飲まない?」


「お腹、空いてないし。
もう、家に帰りたい」


「帰りたいね。でも、お腹がまだ治ってないし、最近不整脈も増えてるからね。退院はまだ無理かな」




「っ、!もう、ご飯いらない。寝るっ!」



涙が込み上げてきて、それは夜星先生には見られたくなくて、咄嗟に毛布に潜り込んだ。


なんで、なんで泣いちゃうの。



「こらこら、潜ったら苦しいでしょう?寝るならご飯食べて薬飲んでからね」



毛布を剥ぎ取られて、背中を起こされて、箸を渡された。


「うぅ、、ひくっ、」


「泣かない泣かない。ほら、なにか一口食べてみな」



「んぅ、、、」



今日は食べたくない。食べられない。

いらない。もう出ていっての意を込めてもう一度箸を置いた。




「ダメだよ。俺は食べるまでここにいるからね。早く出てって欲しいなら食べな」



うぅ……

でも、食べられないし。無理……